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日本について

 akafuji

日本という国名「日の本」とはすなわち「昇る朝日の下にある地」を意味する。英語でも land of rising sun と呼ぶし、フランス語でも pays du soleil levant と書かれる。いずれも「朝日の昇る国」の意である。

この国のはなし(概略)

日本国と定められる地域は、北半球ユーラシア大陸東端の沿岸沖で、太平洋北西に位置する4つの島弧(千島列島、日本列島、琉球列島、伊豆・小笠原諸島からなる6852の群島である。日本国土は、北から南へ約3000kmあり主要な島として北海道、本州、四国、九州がある。それら4つの島が日本国陸地(国土面積は約37.8万㎢  / 世界第62位の97%を占めている。

日本は陸地面積に比べて長い海岸線(約29,751km / 世界第6位を有し、水産資源や鉱物資源を管理下における排他的経済水域Exclusive Economic Zone)は、国土面積の10倍以上もある約447万㎢になる。(領海を含むEEZの総面積は世界第6位である)

日本の島々は、地球を覆う岩盤である約15枚のプレートのうちの4枚(北米プレート、ユーラシアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートの衝突部にあり、地殻運動が活発な環太平洋造山帯太平洋火山帯)に含まれる。 日本国の陸地面積は約37.8万㎢で世界陸地面積の0.25%であるが世界活火山の7%が集中し、マグニチュード6.0以上の大きな地震は20%が日本で発生している。

プレートが衝突し複雑に沈み込んでいる真上に存在する日本列島の地形は起伏に富み、火山地・丘陵を含む山地の面積は、国土の約75%を占める。山地の多い日本の河川は、水源から河口までの長さに比べて川床勾配が急で侵食力が強い。山地は急勾配な谷によって細かく刻まれ傾斜の大部分は森林に覆われている。(国土森林率68.5%)

気候

日本の環境は主に温帯温暖湿潤気候)に属するが、南北に島々が点在するため北部では亜寒帯(亜寒帯湿潤気候)、南部では熱帯熱帯雨林気候・サバナ気候)に属する地域もある。また、一部ではあるが、高山(北海道大雪山・本州富士山など…)の山頂付近が寒帯ツンドラ気候)に分類される。日本の降水量は全体として多く、乾燥帯となっている観測地点は存在しない。

日本の気象は、それぞれ異なる性質を持った大気の塊である5つの気団シベリア気団オホーツク海気団、小笠原気団、揚子江気団、赤道気団)の影響を受けている。一年を周期として繰り返す気候は、地球が自転軸の傾き23.4°を維持して太陽を公転する際に変化する日照時間と太陽の高度(南中高度)に伴って勢力と勢力圏を変える気団の変化によって生み出されている。

シベリア気団(シベリアきだん)とは、シベリア大陸上に居座る低温で乾燥した寒帯大陸性気団に属する大気の塊である。北半球で日照時間などが短くなる冬季に勢力を強め、日本に北西の季節風(北風)と冬型の気候をもたらす気団である。

オホーツク海気団(オホーツクかいきだん)とは、オホーツク海上で発生する寒冷・多湿の寒帯海洋性気団に属する大気の塊である。オホーツク海気団は、春から夏に季節が移り変わる時期と夏から秋に季節が移り変わる時期に発達し、小笠原気団と停滞前線を形成し日本に梅雨と秋雨という長雨(雨期)をもたらします。

小笠原気団(おがさわらきだん)とは、日本の南方海上フィリピン海盆から小笠原諸島付近に位置する、高温・多湿な熱帯海洋性気団に属する大気の塊である。小笠原気団は北半球で日照時間が長くなる、5月から7月ごろにかけて徐々に発達していき勢力圏を北に広げて、日本に南東の季節風温暖湿潤な夏型の気候をもたらす気団である。秋に勢力を弱め冬にはほぼ消滅する。

揚子江気団(ようすこうきだん)とは、ユーラシア大陸中央部に広がるチベット高原から東シナ海に流れる川である長江の流域で春や秋に多く出現する高温・乾燥な熱帯大陸性気団に属する大気の塊である。春や秋に温暖乾燥な晴天を日本にもたらす揚子江気団は、冬季や夏季に勢力を拡大する気団の間を埋めるように、偏西風に乗せられて日本上空を西から東へ横断していく移動性高気圧である。2007年日本の気象庁予報用語で正式名称を長江気団と定められる。

赤道気団(せきどうきだん)とは、赤道付近の海洋に位置する、高温・多湿な赤道海洋性気団に属する大気の塊である。海洋から蒸発する大量の水蒸気が上空で凝結する際に放出する、潜熱をエネルギー源として熱帯低気圧(台風)を発生させる。赤道気団で発生した熱帯低気圧が日本に到達する。

日本の気候は、植生分布から区分される気候区分ケッペンの気候区分とは別に、地形や季節風(モンスーン)によって異なる降水量を考慮した日本独自の気候区分6つ(北海道気候、太平洋側気候、日本海側気候、中央高地式気候、瀬戸内海式気候、南西諸島気候)に分類される。  

北海道気候(ほっかいどうきこう)とは、日本列島北部の北海道全域でみられる気象である。北海道気候の特徴は、日本の雨期にあたる梅雨と秋雨のうちの梅雨がなく、日本の他の地域と比べ、降水量が少なく、年間を通じて気温が低い、湿度が低い、積雪期間が長い、台風の襲来が少なく弱いという印象で語られる。北海道の気候はさらに道内で5つ(道南、日本海沿岸、太平洋沿岸、オホーツク海沿岸、内陸)に気候区分される。

太平洋側気候(たいへいようがわきこう)とは、日本列島を南北に縦断する脊梁山脈の太平洋側に位置する地域でみられる気象である。太平洋側気候の特徴は、夏季は温暖湿潤な南東の季節風により雨が多く多湿で、冬季は乾燥した北からの季節風により雨が少なく乾燥している。冬は南岸低気圧の接近によって雪が降ることがある。

日本海側気候(にほんかいがわきこう)とは、日本列島を南北に縦断する脊梁山脈の日本海側に位置する地域でみられる気象である。日本海側気候の特徴は、冬季の豪雪と秋季から冬季の雷日数の多さである。冬季に乾燥した季節風日本海を渡る際に暖流の対馬海流上で水蒸気を蓄えて山脈に衝かるため日本海側は、気温のわりに雪がとても多く世界有数の豪雪地帯となっている。

中央高地式気候(ちゅうおうこうちしききこう)とは、本州中央に位置する中部地方の中央高地に由来する名称で、周囲を標高の高い山地に囲まれている盆地でみられる気象である。中央高地式気候の特徴は、年間を通して季節風の影響を受けにくく、年間降水量は少ない。海から離れているため、夏季と冬季の気温差が大きく夏は暑く、冬の気温は氷点下以下になることも珍しくない。 

瀬戸内海式気候(せとないかいしききこう)とは、本州、四国、九州に挟まれた内海である瀬戸内海の沿岸地域でみられる気象である。瀬戸内海式気候の特徴は、年間を通じて天気や湿度が安定しており、降水量が少ない。降水量は、5、6、7月の梅雨時期と9月の秋雨時期の二峰性となっており、二峰の間である8月の降水量が著しく少ない。

南西諸島気候(なんせいしょとう)とは、九州南方海上にある奄美大島から沖縄にかけての南西諸島でみられる気象である。南西諸島気候の特徴は、日本海流からの暖かく湿った風の影響で年間降水量が多く、昼と夜の気温差と年間気温差が小さい。冬季の平均気温が15度程度と本州に比べて温暖であるが、海に面しているため夏季は極端に暑くなることもない。

日本周辺の海はひとつに繋がっているが、北東側がオホーツク海、東側および南側が太平洋、西側が東シナ海、北西側が日本海と呼ばれる4つの海に囲まれている。 本州と四国、九州に挟まれた海域は、瀬戸内海と呼ばれている。 

日本近海には大きく分けて4つの海流が流れている。暖流の日本海流黒潮対馬海流、寒流の千島海流親潮リマン海流である。

日本海流(にほんかいりゅう / 黒潮とは、赤道の北側を西向きに流れる北赤道海流に起源を持つ世界最大規模の暖かい海水の流れである。日本海流黒潮)の特徴は、プランクトンの生息数が少ないため透明度が高く、深い紺色をしている流れの速い暖流である。

対馬海流(つしまかいりゅう)とは、黒潮日本海流)の支流で対馬海峡から日本海流入する暖かい海水の流れである。日本海沿岸を北上し、津軽海峡から太平洋と宗谷海峡からオホーツク海へ流れていく。対馬海流の特徴は、黄海東シナ海の沿岸水が混合し、黒潮本流より低温、低塩分で透明度が低い暖流である。

千島海流(ちしまかいりゅう / 親潮とは、千島列島に沿って南下し日本の東まで達する北太平洋亜寒帯循環に属する冷たい海水の流れである。千島海流の特徴は、栄養塩に富んでおり、魚の餌となるプランクトンが大量に繁殖する。栄養塩の濃度は、黒潮の少なくても5倍〜10倍であり、「魚を育てる親となる潮」という意味で親潮(おやしお)とも呼ばれる流れの弱い寒流である。

リマン海流(リマンかいりゅう)とは、ロシアと中国の国境を流れるアムール川黒龍江の河口から間宮海峡をへて、ユーラシア大陸に沿って日本海を南下する冷たい海水の流れである。「リマン」とはロシア語で大河の河口を意味する。リマン海流は、北上する対馬海流が北上するにつれて冷やされアムール川の淡水と混ざり、南下しているとする説もあるが定かではない。リマン海流日本海の水産資源を豊かにする寒流である。

生態系 

日本列島とその近海は、多数の固有種が存在する世界有数の生物多様性を持つ地域になる。特に日本近海は、海洋生物における世界最大の生物多様性を持つ海であり、全海洋生物種数の14.6%が分布している。

生物の多様性は日本が南北に長く広がる列島であり、気候区分や環境、標高差、海峡など複数の分布境界線を有することによって存在している。さらに、海に囲まれているため離島では、その島独自の生態系が維持されてきた土地が多数ある。

植物・森林

日本の環境は主に温帯に属するが、南北に3,000kmと長く広がり、さらに3,000m以上の高山地帯も有するため、気候区分は寒帯から熱帯まで多様である。そのため熱帯植物から寒帯ツンドラ気候に属する高山植物に至るまで植物の種類が豊富で多様性に富む。日本の降水量は全体とし多く、どの地域でも年間の雨量が十分で、森林の成立が可能である。 

動物 (哺乳類・鳥類・爬虫類 両生類・魚類・昆虫)

日本列島はアジア大陸に隣接した群島であり、氷河期に大陸から移入した生物が孤立個体群として独自に進化を遂げてきた。日本に生息する約130種の陸生哺乳類のうち3割を超える固有種、7属の固有属による、多様かつ独特の哺乳類相が存在している。その一方で、北海道や対馬などのユーラシア大陸に近い地域では、それら固有種に加え大陸系の種も生息している。

海に囲まれ、水源が豊富な日本の地は、河川や池、湖が多く、それに棲む水鳥の種類が豊富である。また日本列島はシベリアで繁殖する鳥の越冬地であり、東南アジアなど南方で越冬した鳥が繁殖する地であり、北方から南方に渡る渡り鳥が通過する中継地でもある。季節によって多彩な渡り鳥も観察することができる日本では、500種を越える鳥類が観察される。

爬虫類・両生類のいずれも亜熱帯に種類が多く日本では、南西諸島に半分以上の種が集中する。これは島ごとに種分化が進んでいるためでもある。現存する世界最大の両生類であるオオサンショウウオは、日本を代表する両生類である。

日本近海は、地球規模でみて最も海洋生物が生息している海域であり、その数は約3万3000種になる。(Census of Marine Life 2010) これは日本の気候が南北に渡って非常に多彩であり、同時に大きな海流に恵まれ、海水が多くの栄養を持っていることを示している。大陸に比べ河川の規模が小さいため淡水魚の種は多くない。雨量の多い気候のため、河口域に淡水と海水が混在した状態である汽水域が出来やすく貝類も豊富である。

日本の多彩な環境には、およそ32000種以上もの昆虫類が確認されているが、未発見の種も多いとされ、実際には10万種を越えるとも推定されている。雨量の多い気候のため湿地や水田が各地にあり、とくにトンボの種類数が多い。(全世界に約5,000種類、うち日本には200種類近くが分布している。)

天然資源と産出物

日本は「鉱物の博物館」と形容されるほど大抵の鉱物を産出するが、その産出量は少ない。ただしコンクリートなどの原料になる石灰石ヨウ素は、世界でも有数の産出量を誇る。また九州南部の金鉱山では、鉱石1トンあたりの含有量が世界平均の約10倍にあたる約30〜40グラムと非常に金を多く含む鉱石が産出される。